三角関数の最大・最小問題を
完全攻略する方法
「三角関数は公式が多くて覚えきれない」と感じる高校生は多いです。しかし共通テスト数学IIで出題される三角関数の問題には明確なパターンがあります。sinθ と cosθ の基本的な性質を正確に理解し、最大・最小を求めるための3つのアプローチを身につけることで、三角関数の問題を得点源にできます。
三角関数が難しく感じる最大の理由は「公式の数」ではなく「どの公式をどの場面で使うか」の判断にある。実際には、共通テストで問われるパターンは本記事で紹介する3つのアプローチにほぼ集約される。角度そのものの計算より、パターン認識を優先して読み進めてほしい。
まず「単位円」でsinとcosを視覚化する
三角関数の理解は単位円から始まります。半径1の円(単位円)上の点 P(cosθ, sinθ) において、θ は原点から点 P への線分が x 軸の正方向となす角度です。このイメージを持つことで、sinθ と cosθ の値域(とりうる値の範囲)が直感的にわかります。
sinθ の値域は-1≦sinθ≦1、cosθ の値域も-1≦cosθ≦1 です。θ が変化すると sinθ と cosθ はこの範囲を周期的に変動します。「単位円上の点の y 座標が sinθ、x 座標が cosθ」と覚えると、角度に対応する値を視覚的に判断できるようになります。
sinθ・cosθ の値域は必ず-1以上1以下
単位円を頭に描き、θ の変化に応じて点がどう動くかをイメージする。sinθ は y 座標(上下)、cosθ は x 座標(左右)。この視覚イメージが三角関数理解の核心。
「sinθ=t と置き換える」変換テクニック
三角関数の最大・最小問題でよく使うテクニックが「sinθ=t と置いて2次関数に帰着させる」方法です。たとえば y=2sin²θ+sinθ-1 の最大値を求める問題では、t=sinθ(-1≦t≦1)と置くと y=2t²+t-1 という2次関数の問題になります。
2次関数になったら、平方完成して頂点を求め、定義域(-1≦t≦1)内での最大・最小を求めます。この「三角関数→2次関数」の変換は共通テストで頻繁に使われます。「sinθ が出てきたら t に置き換えることを考える」という発想が大切です。
sinθ=t(-1≦t≦1)と置いて2次関数に変換する
手順:① sin²θ+sinθ などの式が出たら t=sinθ と置く。② t の定義域 -1≦t≦1 を忘れずに設定する。③ t の2次関数として最大・最小を求める。定義域付きの2次関数問題として解く。
先ほどの例を最後まで解く
y=2t²+t-1(-1≦t≦1)を実際に解いてみる。平方完成すると y=2(t+1/4)²-9/8。頂点は t=-1/4 で、これは定義域 [-1, 1] の中に入っているので、最小値はそのまま頂点の y=-9/8。最大値は定義域の両端を比べて判断する。t=-1 のとき y=2-1-1=0、t=1 のとき y=2+1-1=2。大きい方の t=1 が最大値2を与える。よって元の関数の最大値は2、最小値は-9/8。三角関数の問題も、tに置き換えた瞬間から先はいつもの2次関数の最大最小問題と同じ手順で解けることがわかる。
「三角関数の合成」で一本化する
a sinθ+b cosθ という形は、三角関数の合成公式を使って r sin(θ+φ) の形(1つの三角関数)に変換できます。ここで r=√(a²+b²)、φ は cosφ=a/r かつ sinφ=b/r を満たす角度です。
合成後は r sin(θ+φ) の最大値が r、最小値が-r になります。a sinθ+b cosθ の最大・最小は「√(a²+b²) と-√(a²+b²)」で求まります。この公式は共通テストで必ず使えるタイミングがあります。「sinとcosが混在していたら合成を疑う」という判断基準を持ちましょう。
合成の手順
3sinθ+4cosθ を合成する例:r=√(3²+4²)=√25=5。cosφ=3/5、sinφ=4/5 を満たす φ を求めると(φ=約53°)、3sinθ+4cosθ=5sin(θ+φ) となります。最大値は5、最小値は-5です。
グラフの形を正確に描く力をつける
y=A sin(Bθ+C)+D のグラフを素早く描けることも三角関数攻略の重要な力です。振幅は|A|(最大値と最小値の差の半分)、周期は 2π/B(B が大きいほど速く振動)、C は位相のずれ(グラフの横移動)、D は縦移動です。
問題でグラフの特徴(最大値・最小値・周期・x 軸との交点)を問われた場合は、A・B・C・D の役割を把握していれば即座に答えられます。「A は振れ幅、B は周期、C は横ずれ、D は縦ずれ」と覚えておきましょう。
y=A sin(Bθ+C)+D のグラフ4要素
振幅:|A|(最大値と最小値は D±A)
周期:2π/B
横移動:-C/B(C/B だけ左右にずれる)
縦移動:D(グラフ全体が上下にずれる)
三角形ABCで a=6、b=6、C=120° のとき、cと三角形の面積Sを求める手順として正しいものはどれか。
C=120°のときcos120°=-1/2であることがこの問題の核心です。余弦定理でcを求め(c=6√3)、面積公式S=(1/2)ab sinCでSを求めます(S=9√3)。B・C・Dはそれぞれ「符号の思い込み」「sinとcosの取り違え」「√の計算誤解」という典型的なつまずきです。
よくある質問
Q. t=sinθ と置き換えるとき、定義域を忘れてしまいます。なぜ必要なのですか?
A. tはどんな値でも取れるわけではなく、sinθの性質上、必ず-1以上1以下に収まるからです。この制限を忘れて2次関数だけを見て最大・最小を求めると、実際には起こり得ないtの値(例えばt=3など)での最大値を答えてしまう間違いが起こります。置き換えた瞬間に「範囲はどこまでか」を必ずセットで書く習慣をつけてください。
Q. 合成公式のφ(位相)の値を毎回正確に求めるのが大変です。
A. 多くの共通テスト問題では、φの具体的な角度(度数)まで求める必要はなく、「r=√(a²+b²)である」ことと「最大値がr、最小値が-r」であることさえわかれば解ける設問がほとんどです。φの正確な値が必要な設問かどうかを問題文で見極め、不要な計算に時間を使わないようにしましょう。
まとめ
✦ 単位円のイメージで sinθ・cosθ の値域(-1〜1)を体で覚える
✦ sin²θ+sinθ 型は t=sinθ と置いて2次関数問題に帰着させる
✦ a sinθ+b cosθ は合成して r sin(θ+φ) の形にする
✦ グラフの4要素(振幅・周期・横移動・縦移動)を読み取れるようにする
MATHACAでは三角関数の問題を Basic から Exam まで段階的に用意しています。基礎(Basic)を繰り返すだけで、平均点を超える力がつきます。
無料で始める