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Study Column — Vol.06

数列(等差・等比・漸化式)の
完全マスター法

2026.06  |  Math Strategy  |  読了時間:約10分

共通テスト数学IIBで高い配点を持つ「数列」は、等差数列・等比数列の基本から始まり、漸化式・数学的帰納法まで範囲が広い単元です。「公式は覚えているのに問題が解けない」という生徒が多いのも数列の特徴です。この記事では、つまずきやすいポイントを整理し、数列を確実に得点源にするための考え方を解説します。

数列は公式の数が多く見えるが、実際に独立して覚える必要があるものはそれほど多くない。等差・等比の基本形を土台に、漸化式は「型を見抜いて等比数列に帰着させる」という一つの考え方で大部分が解ける。公式の丸暗記より、この「帰着させる」感覚を身につけることを目標に読み進めてほしい。

等差数列:「一定の差」だけを意識する

等差数列とは、隣り合う項の差が常に一定(公差 d)の数列です。一般項は an=a₁+(n-1)d で求まります。「最初の項に (n-1) 個分の公差を足す」というイメージを持つと、公式を暗記しなくても導き出せます。

等差数列の和の公式 Sn=n(a₁+an)÷2 は「最初と最後を足して項数で掛けて半分」という意味です。この意味を理解していれば、公式を忘れても作り直せます。「初項と末項の平均 × 項数」と言い換えると直感的にわかりやすいです。

FORMULA

等差数列の基本2式:一般項と和

一般項:an=a₁+(n-1)d (a₁:初項、d:公差)
和:Sn=n(a₁+an)÷2=n{2a₁+(n-1)d}÷2
「末項がわかるときは前者、わからないときは後者」と使い分ける。

等比数列:「一定の比」だけを意識する

等比数列とは、隣り合う項の比が常に一定(公比 r)の数列です。一般項は an=a₁×rⁿ⁻¹ です。等差数列との違いは「足す」か「かける」かだけです。公比 r が 1 のときは全項が同じ値になり、特別なケースとして扱います。

等比数列の和の公式 Sn=a₁(rⁿ-1)÷(r-1) は r≠1 の場合のみ使えます。r=1 のときは Sn=na₁ です。この場合分けを忘れると減点されるので、答えを書く前に「r は 1 か?」と確認する習慣をつけましょう。

CAUTION

等比数列の和は「r=1」と「r≠1」で場合分けを忘れずに

r≠1 のとき:Sn=a₁(1-rⁿ)÷(1-r) または a₁(rⁿ-1)÷(r-1)
r=1 のとき:Sn=na₁
答案で場合分けを省略すると減点対象になる。

漸化式:「型」を認識して解く

漸化式とは「an+1 を an で表す式」のことです。共通テストでよく出る型は主に3つあります。①等差型(an+1=an+d)、②等比型(an+1=r×an)、③1次漸化式(an+1=pan+q)。この3つを見た瞬間に判断できるようになることが目標です。

①等差型の漸化式

an+1=an+d の形。これは公差 d の等差数列を意味します。an=a₁+(n-1)d の公式に代入すれば一般項が求まります。

②等比型の漸化式

an+1=r×an の形。公比 r の等比数列です。an=a₁×rⁿ⁻¹ で一般項が求まります。

③1次漸化式(an+1=pan+q)

an+1=pan+q の形は、両辺に α を引いて等比型に変形します。an+1-α=p(an-α) となる α を求める(α=q÷(1-p))と、bn=an-α とおくことで bn+1=p×bn という等比数列に帰着できます。

具体例で手順を確認する

a₁=1、an+1=2an+3 という漸化式を例に解いてみる。まず特性方程式 α=2α+3 を解くと α=-3。次に bn=an+3 とおくと、bn+1=an+1+3=(2an+3)+3=2(an+3)=2bn となり、bn は公比2の等比数列になる。初項は b₁=a₁+3=4なので bn=4×2ⁿ⁻¹。最後に an=bn-3=4×2ⁿ⁻¹-3。実際にn=2で検算すると a₂=2×1+3=5、公式でも4×2-3=5となり一致する。

KEY SKILL

漸化式は「型を認識→適切な変換→等比数列に帰着」の流れ

an+1=pan+q の場合:特性方程式 α=pα+q を解いて α を求め、bn=an-α とおく。この変換を練習で身体に覚えさせることが重要。

Σ(シグマ)記号をマスターする

数列の和を簡潔に表す Σ(シグマ)記号は、数学IIBの問題で頻繁に登場します。Σk=n(n+1)÷2、Σk²=n(n+1)(2n+1)÷6、Σk³={n(n+1)÷2}² の3つの公式は丸暗記が必要です。

Σの計算では「定数はΣの外に出せる」「Σの線形性(足し算・引き算で分離できる)」を活用します。複雑な式もこれらの性質を使えば、基本3公式に分解して計算できます。模試などで Σ が入った問題が出たら、まず基本公式に分解できないかを考えましょう。

実際に解いてみよう(MATHACA basic 収録問題)

第3項が11、第7項が27の等差数列の初項と公差を求める手順として正しいものはどれか。

よくある質問

Q. 漸化式の3つの型を見分けられません。判断のコツはありますか?

A. an+1の式を見て、「anに何か数を足しているだけ」なら等差型、「anに数をかけているだけ」なら等比型、「anにかけてさらに数を足している(pan+qの形)」なら1次漸化式、と機械的に分類できます。まずこの3種類のどれに該当するかを判定する練習を、公式を使わずに繰り返すのが近道です。

Q. Σの公式はどうしても覚えられません。丸暗記以外の方法はありますか?

A. Σk²とΣk³の公式は導出が複雑なので、多くの受験生は結果だけを覚えます。ただしΣkだけは「1からnまでの和=n(n+1)/2」を等差数列の和の公式(初項と末項の平均×項数)として理解しておくと、暗記に頼らず導き出せます。まずΣkの意味を理解し、残り2つは繰り返し使って体に染み込ませるのが現実的です。

まとめ

✦  等差数列は「足す」、等比数列は「かける」の違いを体で覚える

✦  等比数列の和は r=1 の場合分けを絶対に忘れない

✦  漸化式は「①等差型 ②等比型 ③1次型」の3パターンで型認識する

✦  Σの基本3公式(k、k²、k³)は丸暗記する

MATHACAでは数列の問題を豊富に用意。等差・等比から漸化式まで段階的に練習できます。基礎(Basic)を繰り返すだけで、平均点を超える力がつきます。

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