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Study Column — Vol.13

logは「何乗?」と聞いているだけ
指数・対数がこわくなくなる考え方

2026.10  |  Math Strategy  |  読了時間:約9分

「log が出てきた瞬間に手が止まる」という相談は、数学IIの単元の中でも特に多いものです。話を聞くと、log を「よくわからない記号」として丸暗記しようとしているケースがほとんどでした。実は log は、「何乗したらその数になる?」という質問に名前をつけただけのものです。そこが腑に落ちると、公式も条件も一気に覚えやすくなります。

共通テストの数学II・B・Cでは、指数・対数は必答問題の範囲に含まれていて、2025年度は必答問題の大問として出題されました。年度によって必答問題に入る単元の組み合わせは変わりますが、三角関数や微分・積分の問題の途中で指数・対数の計算が必要になることもあるので、どの年でも避けては通れない基礎です。

紙を何回折れば富士山を超える?

厚さ 0.1mm の紙を半分に折ると 0.2mm、もう一度折ると 0.4mm。1回折るたびに厚さは2倍になります。では、何回折れば富士山の高さ 3776m を超えるでしょうか(実際の紙はそんなに折れないので、計算上の話です)。

n 回折ったときの厚さは 0.1×2ⁿ mm です。2ⁿ は n が増えると急に大きくなります。2¹⁰=1024 なので、10回折るとおよそ1000倍の約10cm。20回で約100万倍の約105m。そして 25回で 2²⁵=33,554,432 倍の約3355m、26回で 2²⁶=67,108,864 倍の約6711m。たった26回で富士山を超えてしまいます。

この「同じ数を何回も掛ける」のが指数で、「何回掛けたら目標に届くか」を逆に聞くのが対数です。

log の正体は「何乗?」

log₂8 は、「2を何乗したら8になる?」という質問の答えです。2³=8 なので log₂8=3。同じように log₂32=5、log₁₀1000=3 です。小さく書く数(log₂ の 2)を底、log の後ろの数(8)を真数と呼びます。

BASIC

logₐM=p と aᵖ=M は同じことを言っている

「a を p 乗すると M」を、M の側から言い直したのが logₐM=p。log の式で迷ったら、いつでも指数の式に書き直して考えればよい。

公式は「指数のルール」の言い換え

対数の公式はたくさんあるように見えますが、どれも指数のルールを言い換えただけです。

指数のルール対数の公式
2ᵃ×2ᵇ=2ᵃ⁺ᵇ(掛け算は指数の足し算)log₂MN=log₂M+log₂N
2ᵃ÷2ᵇ=2ᵃ⁻ᵇ(割り算は指数の引き算)log₂(M/N)=log₂M-log₂N
(2ᵃ)ᵏ=2ᵏᵃ(累乗は指数の掛け算)log₂Mᵏ=k log₂M

たとえば log₂(8×4) は、8=2³、4=2² で 8×4=2⁵ なので 5。公式どおり log₂8+log₂4=3+2=5 になります。「掛け算が足し算に変わる」のが対数の一番便利なところで、大きな数の計算を足し算で済ませられるのはこのためです。

底をそろえる「底の変換公式」

底がちがう対数どうしは、底の変換公式 logₐb=log꜀b÷log꜀a で底をそろえます。たとえば log₄8 は、底を2にそろえると log₂8÷log₂4=3÷2=3/2。確認すると 4³/²=(√4)³=2³=8 なので合っています。

真数条件と底の向きで点を落とさない

指数・対数の方程式や不等式で最も多い失点は、計算ミスではなく条件の見落としです。

真数は必ず正

log の真数は正の数でなければなりません。2を何乗しても 0 や負の数にはならないからです。方程式 log₂(x-1)+log₂(x+1)=3 を解くと、左辺をまとめて log₂(x-1)(x+1)=3、つまり (x-1)(x+1)=2³=8 から x²=9 で x=±3 が出てきます。ここで真数条件 x-1>0 かつ x+1>0、つまり x>1 を確認すると、x=-3 は不適で答えは x=3 だけです。x=3 を代入すると log₂2+log₂4=1+2=3 となり、確かに成り立ちます。

CHECK

方程式を解く前に、真数条件を先に書く

解いてから思い出すと忘れやすい。問題を読んだら最初に「真数>0」を式の横にメモしておく。

底が1より小さいと不等号の向きが逆になる

(1/2)ˣ>1/8 を考えます。1/8=(1/2)³ なので (1/2)ˣ>(1/2)³。ここで「x>3」としてしまうのが典型的なミスです。底の 1/2 は1より小さいので、x を大きくするほど (1/2)ˣ は小さくなります(半分、そのまた半分と減っていく)。だから不等号の向きは逆になり、答えは x<3 です。底が1より大きいときは向きはそのまま、1より小さいときは逆、と覚えておきましょう。

大小比較と桁数は「そろえる」が合言葉

大小比較

2³⁰ と 3²⁰ はどちらが大きいでしょうか。指数を10でそろえると、2³⁰=(2³)¹⁰=8¹⁰、3²⁰=(3²)¹⁰=9¹⁰。8 より 9 のほうが大きいので 3²⁰ のほうが大きいとわかります。対数どうしの比較も同じで、log₂3 と 1.5 を比べるなら、2¹·⁵=2√2(約2.83)が 3 より小さいので、log₂3 のほうが 1.5 より大きいと判断できます。

桁数は常用対数で数える

底が10の対数(常用対数)を使うと、大きな数の桁数がわかります。log₁₀2 を約 0.3010 とすると、2⁵⁰ の常用対数は 50×0.3010=15.05。これは 2⁵⁰ が 10¹⁵ 以上 10¹⁶ 未満ということなので、2⁵⁰ は16桁の数です(実際に 2⁵⁰=1,125,899,906,842,624 で16桁)。

最初の紙の問題も対数で解けます。0.1×2ⁿ mm が 3776m=3,776,000mm を超えるには 2ⁿ>37,760,000 が必要です。両辺の常用対数をとると n×0.3010>約7.58 となり、n>約25.2。整数で考えて n=26 回とわかり、さきほどの計算と一致します。

実際に解いてみよう(MATHACA standard 収録問題)

log₂x+log₂(x−3)=2 を解く正しい手順はどれか。

よくある質問

Q. log₁₀2=0.3010 は覚えないといけませんか?

A. 共通テストでは、必要な場合は問題文で値が与えられることが多いです。ただ、log₁₀2 が約0.3、log₁₀3 が約0.48 と知っていると、計算結果が大きく外れていないかの確認に使えるので、目安として覚えておくと便利です。

Q. 指数の方程式で、2ˣ を t と置いたあと何に気をつければいいですか?

A. t=2ˣ は必ず正の数(t>0)になる、という条件を忘れないことです。t の2次方程式を解いて t=-1 のような負の解が出たら、それは捨てます。三角関数で sinθ=t と置いたときに範囲をセットで書くのと同じ考え方です。

Q. 対数の計算で、どの公式から使えばいいか迷います。

A. まず底をそろえ、次に真数を素因数分解して、掛け算を足し算に分けるのが基本の流れです。たとえば log₂24 なら 24=2³×3 なので log₂24=3+log₂3。迷ったら「底をそろえる → 真数を分解する」の順に試してみましょう。

まとめ

✦  logₐM は「a を何乗したら M?」の答え。迷ったら指数の式に書き直す

✦  対数の公式は指数のルールの言い換え。掛け算は足し算に、累乗は掛け算になる

✦  方程式・不等式は、最初に真数条件(真数>0)を書く

✦  底が1より小さいときは不等号の向きが逆になる

✦  大小比較は指数か底をそろえる。桁数は常用対数で数える

MATHACAでは、指数・対数の問題を Basic から Exam まで段階的に練習できます。「何乗?」の感覚と真数条件のチェックは、基礎問題を繰り返すうちに自然と身につきます。基礎を固めて、共通テストの平均点を超えましょう。

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