余弦定理
a² = b²+c²−2bc cosA
角を求めるとき:cosA = (b²+c²−a²)/(2bc)
ひとことで言うと
三平方の定理を、直角じゃない三角形にも使えるようにしたもの
動く図解
長さ b = 3 と c = 4 の2本の棒を点Aでつなぎ、角Aを開いていくと、先端どうしの距離 a はどんどん伸びます。角Aが 60° のような鋭角では cosA > 0 なので、a² の正方形は b²+c² = 25 の正方形より小さくなります。90° では −2bc cosA が 0 になり、三平方の定理 a² = b²+c² と同じになります(図はこの瞬間)。120° のような鈍角では cosA < 0 なので、a² は b²+c² より大きくなります。
なぜ成り立つ?
コンパスを開くと考える
コンパスや扇子のように、2本の棒をつないで開いていくと、開けば開くほど先端どうしは離れていきます。ちょうど直角に開いたときの距離は、三平方の定理で出せます。
では直角でないときはどうなるか。直角より閉じていれば先端は近く、開いていれば遠くなります。余弦定理の −2bc cosA は、この「直角からどれだけ閉じているか・開いているか」の調整分です。直角なら cos90° = 0 で調整はゼロ、つまり三平方の定理そのものになります。
式で確かめる
A を原点、AB を x軸にとると、B(c, 0)、C(b cosA, b sinA) と表せます。a は BC の長さなので、2点間の距離の公式から
a² = (b cosA−c)²+(b sinA)²
= b²(cos²A+sin²A)−2bc cosA+c²
= b²+c²−2bc cosA
途中で cos²A+sin²A = 1 を使っています。A が鈍角でも C の座標は同じ形で書けるので、この式はどんな三角形でも成り立ちます。
使い方の例題
例題1:b = 3、c = 5、A = 60° のとき、a は?
- 2辺とその間の角がわかっているので、余弦定理で a² を出す
- a² = 3²+5²−2×3×5×cos60°
- = 9+25−2×3×5×(1/2) = 19
答え:a = √19
例題2:a = 7、b = 5、c = 3 のとき、A は?
- 3辺がわかっているので、角を求める形 cosA = (b²+c²−a²)/(2bc) を使う
- cosA = (25+9−49)/(2×5×3)
- = −15/30 = −1/2
答え:A = 120°(cosA が負なので鈍角)
よくあるミス
- 鈍角では cosA が負なのに、−2bc cosA の符号を処理しそこねる(マイナス×マイナスでプラスになる)
- 角Aと向かい合う辺 a の組を取りちがえる
- 「2bc」の 2 を忘れる
- a² を出したところで、ルートを取り忘れる
確認の1問
b = 2、c = 3、A = 60° のとき、a の値は?
a² = 4+9−2×2×3×(1/2) = 4+9−6 = 7 なので a = √7 です。√13 は −2bc cosA を忘れた値、√19 は符号を + にした値、7 はルートを取り忘れた値です。
関連
関連する公式
- 正弦定理
- 三角形の面積 S = (1/2)bc sinA
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